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ダークプール取引とは

ダークプール取引とは
金額を尋ねると…

金融ファクシミリ新聞

髙村 SBIグループの代表である北尾が2015年1月の決算発表の際に「もはやネット証券との戦いは終わった」と宣言し、本格的な総合証券化に取り組んで3年あまりが経つが、この間、ネット証券にはない金融法人向けの営業態勢の整備に注力してきた。香港に海外営業部隊を置き、アジアを中心とする機関投資家への接触も開始した。これと同時並行でホールセールでの債券引受機能の整備も進めており、債券引受業務の経験者の採用や発行体である地方公共団体・事業会社への営業行脚を実施してきた。こうした取り組みが奏功し、投資家と発行体の間をつなぐことができるような態勢がようやく出来上がりつつある。また、金融法人関連では、米ピムコ社との合弁で設立した「SBIボンド・インベストメント・マネジメント」というグループ内の資産運用会社と、当社がタイアップした地方金融機関向けの私募投信の販売が好調だ。累積販売額は1000億円の大台に迫っており、今年度に入っての加速度的な伸びを勘案するとすぐさま数千億円という単位に伸びていくだろう。さらに、地方の機関投資家向けに我々が内製した仕組み債を販売するなど、幅広い金融機関へのアプローチが可能な状況となってきた。

――IPOの主幹事本数では、すでに存在感を発揮してきている…。

髙村 IPOにも力を入れて取り組んできており、我々が主幹事を務めた新規上場件数はこれまでの合計で53社に達した。今年度はさらに10社程度の上乗せが出来ると想定しており、年間の主幹事件数は大手証券との比較でも良い勝負になるのではないか。また、新規上場のみならず、東証1部へのステップアップでもこれまで合計24社に関与した。実はこのうちの10社は新規上場時に他社が主幹事を務めていた案件だ。こうした主幹事の切り替えがなぜ起こっているのかと考えると、やはり個人投資家に対する我々のリーチが圧倒的に強いためではないか。東証1部への昇格に向けて株主数の充足が必要な際、一番頼りになるのはSBI証券だということに事業会社が気付いてきており、我々の持つインターネットチャネルがホールセール分野にもうまく作用しつつある。

――ホールセールのエクイティ・ファイナンスにも関与を深めている…。

髙村 IPOをテコにして、セカンダリーでのファイナンスの機会も積極的に捕えていきたいと考えている。例えば、新規上場後に時価総額が1000億円を超えたような企業には、大手証券や外資系証券の投資銀行部門が営業を仕掛けている。我々もこれにきちんと対抗できる部門を立ち上げるべきだということで、外部から人材を集めて投資銀行部を新たに設置した。現在は15人弱といった規模で、様々なプロダクトを組み合わせたファイナンスやM&Aを中心に提案している。ただ、最初から時価総額1000億円超の企業の全てを営業対象とすることは難しいので、まずは我々と何らかのご縁があったミドルクラスの企業を中心に取り組んでいる。新規上場後の成長過程にあるような企業もカバーできるような態勢が大分整ってきた。

――ネット証券としての新しい取り組みは…。

髙村 今年の4月からはSBIプライム証券のダークプール(証券会社内でのつけ合わせ)との連携を開始した。これまでは証券取引所とジャパンネクストPTSのどちらか有利な条件でマッチングする「SOR注文」という仕組みを提供してきたが、顧客にとってはさらにダークプールを含めた3つの選択肢から最良の価格を選ぶことができる。現時点では、ダークプールとの連携について対象となる顧客のうち20%強に承諾を頂いている。ダークプールについてはアルゴリズムをチューニングしている段階であり、約定比率はまだ10%弱にとどまっているが、今後はより有利な価格でマッチングができ、かつ手数料も安いというメリットを打ち出してさらに比率を上げていくことを狙っている。

――ダークプールを使い、手数料を下げることの影響については…。

髙村 単純に東証との約定価格の手数料を下げるのではなく、SBIプライム証券のダークプールでは我々が東証のシステムを使用する際に支払っている場口銭を顧客に還元できるということだ。手数料を下げたとしても、それ以上に取引のボリュームを獲得することができればよいと考えている。我々がベストなレートを提示することができれば、個人投資家にとっても我々のサービスを利用するインセンティブとなる。今後はネット証券全体として手数料競争ではなく顧客の約定価格を競い合うステージに入っていくのではないか。

――インターネットを利用したサービスの発展可能性はどうか…。

髙村 我々のインターネットのプラットフォームは、意外なところで活用の余地が出て来ている。例えば、我々は地銀に対して機関投資家営業という形でアプローチしているが、一部の地銀ではリテール営業で投資信託のラインナップを十分に取り揃えることが出来ておらず、かつ品揃えを強化するとしても可能な限りコストを抑えたいというニーズがあることが分かった。そこで、証券仲介の形態で我々のところに顧客を送ってもらい、その顧客に関しては収益を分け合うというビジネスモデルを立ち上げたところ、サービス開始から1年半あまり経つが、この6月で提携先の地銀が30行にも達する見込みだ。また、我々のインターネットチャネルを提供するにとどまらず、証券子会社を持っていない地銀との間では対面の共同店舗の設置にも取り組んでいる。地銀が対面共同店舗に顧客を送り、我々はこの店舗に子会社であるSBIマネープラザの外務員を派遣するというわけだ。証券機能を持っていなかった地銀はこれまで大手証券の支店に顧客を取られていたが、この仕組みを使えば新規投資コストをかけることなく顧客を取り戻すことが可能になるというメリットがあるため、取り組みは順調に進んでいる。すでに清水銀行と共同店舗を設立したほか、今年度中にさらに10行程度の地銀と提携する予定だ。

――現在の社員数は…。

髙村 社員数はコールセンターなども含めて合計700人強といったところだ。ここ最近は、総合証券化に向けて法人部門の人材採用を強化しており、特に我々のビジネスに共感して頂くようなシニア・エグゼクティブが増加してきた。皆さんやる気があり、かつ昔からのネットワークや知見があるという点において大変助かっている。また、新卒でいったん大手金融機関に入社した若い人から我々に興味を持ってもらうことも増えた印象がある。新しいビジネスの立ち上げに直接関与出来る点が、若い人にとっては魅力に映っているのではないだろうか。

――FXや仮想通貨取引と、証券取引との相乗効果については…。

髙村 FXについては、グループ内の「SBIリクイディティ・マーケット」が流動性を供給しながらきちんとプライスを提示している。我々のグループにおけるFXの顧客層は100万人を超えるような水準となっており、トレードのボリュームも日本一の規模になっているはずだ。FXを手掛ける個人投資家は株式にも関心を持っていることが多く、顧客の親和性が高いためにグループ内の送客はうまくいっている。また、今後にグループ内で仮想通貨事業が立ち上がれば、顧客にとっては新たな取引の選択肢が生まれることになるため、ビジネスチャンスは大きい。仮想通貨の取引業者も徐々にしっかりとした基盤を持つ大手業者に絞られていくと見ており、金融商品取引業者としての常識を持ち合わせた我々が参加することで、仮想通貨ビジネスのステージはさらに変化していくだろう。

――経営上の今後の課題は…。

髙村 ネット経由のリテールの基盤はかなり拡充してきた。特にこの5年間では、NISAやiDeCoなど税制面の後押しを受け、真面目に資産形成に取り組む初心者層が大きく増えている。リテールについてはこうした流れに自然に乗ってビジネスを伸長させていきたい。また、香港を拠点としてアジアを中心とする海外機関投資家への営業を開始したが、欧州や米州などの投資家に対してもどのようにアクセスしていくかを考えていかねばならない。発行体にとってはホールセールで海外機関投資家を抜きにして考えることはできないので、我々が総合証券会社となるためにはかなりの時間を要してでも海外機関投資家を広くカバーしなければならない。課題はまだまだ山積している。

「SALE」も…“闇ワクチン”ネットで横行 犯罪に巻き込まれる危険性も

「SALE」も…“闇ワクチン”ネットで横行 犯罪に巻き込まれる危険性も

耳にしたことがる会社の名前が並ぶ

「ステロイド王」を名乗るこちらのサイト。
新型コロナのワクチンを写真付きで販売しています。
1回の接種あたり、日本でも正式に承認されたファイザー製はおよそ4000円。
EUで承認されたモデルナ製はおよそ3000円で売られています。

「SALE」の文字も

見た目は普通のショッピングサイト しかし…

S&J 三輪信雄 社長

記者「カートに入れたらどうなる?」
三輪さん「普通にカートに入ります」

「(闇ワクチンを注文して)水だったらまだしも、劇物だったらとんでもないことになる」(情報セキュリティー会社「S&J」三輪信雄 社長)

まさに「無法地帯」ダークウェブとは

一般的なサイトからはたどり着けない

違法な物の売買が横行

「通常のインターネットでは手に入れられないものが売られています。拳銃や麻薬、偽造したクレジットカードとか」(三輪さん)

“科学者”名乗るグループも

科学者を名乗りワクチン売買をもちかける

金額を尋ねると…

「どこで製造されたとか、中国製とも書かれていないです」(三輪さん)

「法律で守られていない世界ですので、一方的にまずはお金払わなければいけない。実際に振り込んでも送ってくる保障はほぼありません」(三輪さん)

売人に接触「100パーセント本物」「48時間以内に届ける」

「本物だ」と主張する

記者「このIDを入力してみますと…出てきましたね。おそらくイギリスの人」

記者「まずは、ワクチンが本物か尋ねてみたいと思います」

記者「返事がきました。100%本物だと。欲しい量などを聞かれていますが、ちょっと返信を返さないと、クエスチョンマークを送ってきます。返信を催促してくる感じです」

『もちろん。48時間以内に日本に届けられる』(“売人”からのメッセージ)

『私たちはファイザーやバイオンテックの製薬会社の医師と取引がある』(“売人”からのメッセージ)

一般のインターネットにも「危険」が

“闇ワクチン”の接種を直接誘われるケースも

「10万円で接種できると言われました。“中国人のバイヤーに会わせる、同意書を書いて現金を払って日にちを決めて打つ”と説明されました」(仮名・佐藤さん)

「“あなたは優先的な権利を買えます”とか、ショートメッセージやツイッターで誘われることは十分に予想されます。そういうものに近づかない、利用しないことに尽きます。非常に危険です」(情報セキュリティー会社「S&J」三輪信雄 社長)

ようこそ、計算論的思考が生み出した〈新たなる暗がりの時代〉へジェームズ・ブライドル『ニュー・ダーク・エイジ』

ようこそ、計算論的思考が生み出した〈新たなる暗がりの時代〉へジェームズ・ブライドル『ニュー・ダーク・エイジ』

『ニュー・ダーク・エイジ』ジェームズ・ブライドル・著、久保田晃弘・監訳、栗原百代・訳〈NTT出版〉
ITテクノロジーが加速度的に進化を遂げ、経済、政治、社会の変化を促し、惑星、社会、人間のすべてが変貌を遂げたにもかかわらず、テクノロジーに対する私たち人間の見方だけは変わっていない。それどころか、むしろ単純化された物語や「ポスト・トゥルース」に惑わされ続けている。このコンピュータ/インターネットの時代において、私たちに求められるリテラシーとは何か。テクノロジーの精通したアーティストであり、ジャーナリストでもある著者が問いかける。

ジェームス・ブライドル|JAMES BRIDLE
アーティスト、ジャーナリスト、テクノロジスト。ロンドン大学でコンピューター科学と認知科学の修士号を取得。『イヴニング・スタンダード』による「ロンドンの1000人の最も影響力のある人物」や『WIRED』による「ヨーロッパの100人の最も影響力のある人物」の1人に選ばれている。「The New Aesthetics(新しい美学)」と呼ばれる人文学と理工学にまたがる学際的テーマを探求する中心論者として、研究と執筆活動を精力的に行なっている。それらの成果は、自身が運営するサイト「booktwo.org」でアーカイヴされている。作品は世界各地で展示され、アルス・エレクトロニカや日本メディア芸術祭などで受賞歴がある。

解釈学的思考のすすめ

コンピュータ/インターネットの新たな可能性と落とし穴

ジェームズ・ブライドルは、アーティストとしても活動する。2015年にベルリンのギャラリー・ノームで、監視に触発された作品として展示されたグロマー・レスポンス展の一部と著者。 PHOTO:PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES

解き明かされる「Cの世界」

これはまた、近年注目を集めつつある「人新世」、すなわち「地球の長期にわたる変容に、自然の力だけでなく人間の力=技術が及ぼす影響を無視できなくなった時代」という、新たな世界の見方にも呼応したものだ。実際、本書の中では、人類学者のティモシー・モートンが提唱する「ハイパーオブジェクト」という概念も紹介される。これは“Too Big to See”、つまり「巨大すぎて見えない」対象のことを指し、地球規模の気候変動や世界中に広がるインターネットがその典型とされる。確かにそこにあるはずなのだが、あまりのスケールの違いから、人間には認識できない、それゆえ「存在しない」とみなされる対象のことだ。この地球的規模の大きさから改めてインターネットを考えるという視点は、2020年代以降の情報社会を想像する視点としてもふさわしい。このあたりの目配りの広さもアーティストらしく、「クラウド」を中核に置くことで「地球視点」を前面に押し出してくる。いわば、この本自体が「ハイパーオブジェクト」。尽きせぬ全体へとつながる入り口として差し出されている。

ハンガリー生まれのアメリカの数学者ジョン・フォン・ノイマン博士。20世紀の科学史を語るうえで欠かすことができない人物のひとりである。PHOTO:STOCK MONTAGE/GETTY IMAGES

ロンドン・ヒースロー空港のフライトレーダー。本書のなかでも航空機産業は視認性/不視認性と関連したコンピュータ普及の現場であり、リアルタイム航空機追跡がインターネット上のきわめて顕著な可視化の例として挙げられている。 PHOTO:SOPA IMAGES/GETTY IMAGES

陰謀論という「全知のもの」への渇望

「デザイン・フィクション」という装置

「物語世界」が現実世界となった21世紀

〈ネットワーク〉の中で躓かないためのリテラシー

ジェームズ・ブライドルがドイツのハーフォードにあるマルタ美術館前に、1:1の縮尺で軍用ドローンのアウトラインを貼り付けた作品。デザイナーが暴力をどのように扱っているかを問うている。 PHOTO:PICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES

金融ファクシミリ新聞

髙村 SBIグループの代表である北尾が2015年1月の決算発表の際に「もはやネット証券との戦いは終わった」と宣言し、本格的な総合証券化に取り組んで3年あまりが経つが、この間、ネット証券にはない金融法人向けの営業態勢の整備に注力してきた。香港に海外営業部隊を置き、アジアを中心とする機関投資家への接触も開始した。これと同時並行でホールセールでの債券引受機能の整備も進めており、債券引受業務の経験者の採用や発行体である地方公共団体・事業会社への営業行脚を実施してきた。こうした取り組みが奏功し、投資家と発行体の間をつなぐことができるような態勢がようやく出来上がりつつある。また、金融法人関連では、米ピムコ社との合弁で設立した「SBIボンド・インベストメント・マネジメント」というグループ内の資産運用会社と、当社がタイアップした地方金融機関向けの私募投信の販売が好調だ。累積販売額は1000億円の大台に迫っており、今年度に入っての加速度的な伸びを勘案するとすぐさま数千億円という単位に伸びていくだろう。さらに、地方の機関投資家向けに我々が内製した仕組み債を販売するなど、幅広い金融機関へのアプローチが可能な状況となってきた。

――IPOの主幹事本数では、すでに存在感を発揮してきている…。

髙村 IPOにも力を入れて取り組んできており、我々が主幹事を務めた新規上場件数はこれまでの合計で53社に達した。今年度はさらに10社程度の上乗せが出来ると想定しており、年間の主幹事件数は大手証券との比較でも良い勝負になるのではないか。また、新規上場のみならず、東証1部へのステップアップでもこれまで合計24社に関与した。実はこのうちの10社は新規上場時に他社が主幹事を務めていた案件だ。こうした主幹事の切り替えがなぜ起こっているのかと考えると、やはり個人投資家に対する我々のリーチが圧倒的に強いためではないか。東証1部への昇格に向けて株主数の充足が必要な際、一番頼りになるのはSBI証券だということに事業会社が気付いてきており、我々の持つインターネットチャネルがホールセール分野にもうまく作用しつつある。

――ホールセールのエクイティ・ファイナンスにも関与を深めている…。

髙村 IPOをテコにして、セカンダリーでのファイナンスの機会も積極的に捕えていきたいと考えている。例えば、新規上場後に時価総額が1000億円を超えたような企業には、大手証券や外資系証券の投資銀行部門が営業を仕掛けている。我々もこれにきちんと対抗できる部門を立ち上げるべきだということで、外部から人材を集めて投資銀行部を新たに設置した。現在は15人弱といった規模で、様々なプロダクトを組み合わせたファイナンスやM&Aを中心に提案している。ただ、最初から時価総額1000億円超の企業の全てを営業対象とすることは難しいので、まずは我々と何らかのご縁があったミドルクラスの企業を中心に取り組んでいる。新規上場後の成長過程にあるような企業もカバーできるような態勢が大分整ってきた。

――ネット証券としての新しい取り組みは…。

髙村 今年の4月からはSBIプライム証券のダークプール(証券会社内でのつけ合わせ)との連携を開始した。これまでは証券取引所とジャパンネクストPTSのどちらか有利な条件でマッチングする「SOR注文」という仕組みを提供してきたが、顧客にとってはさらにダークプールを含めた3つの選択肢から最良の価格を選ぶことができる。現時点では、ダークプールとの連携について対象となる顧客のうち20%強に承諾を頂いている。ダークプールについてはアルゴリズムをチューニングしている段階であり、約定比率はまだ10%弱にとどまっているが、今後はより有利な価格でマッチングができ、かつ手数料も安いというメリットを打ち出してさらに比率を上げていくことを狙っている。

――ダークプールを使い、手数料を下げることの影響については…。

髙村 単純に東証との約定価格の手数料を下げるのではなく、SBIプライム証券のダークプールでは我々が東証のシステムを使用する際に支払っている場口銭を顧客に還元できるということだ。手数料を下げたとしても、それ以上に取引のボリュームを獲得することができればよいと考えている。我々がベストなレートを提示することができれば、個人投資家にとっても我々のサービスを利用するインセンティブとなる。今後はネット証券全体として手数料競争ではなく顧客の約定価格を競い合うステージに入っていくのではないか。

――インターネットを利用したサービスの発展可能性はどうか…。

髙村 我々のインターネットのプラットフォームは、意外なところで活用の余地が出て来ている。例えば、我々は地銀に対して機関投資家営業という形でアプローチしているが、一部の地銀ではリテール営業で投資信託のラインナップを十分に取り揃えることが出来ておらず、かつ品揃えを強化するとしても可能な限りコストを抑えたいというニーズがあることが分かった。そこで、証券仲介の形態で我々のところに顧客を送ってもらい、その顧客に関しては収益を分け合うというビジネスモデルを立ち上げたところ、サービス開始から1年半あまり経つが、この6月で提携先の地銀が30行にも達する見込みだ。また、我々のインターネットチャネルを提供するにとどまらず、証券子会社を持っていない地銀との間では対面の共同店舗の設置にも取り組んでいる。地銀が対面共同店舗に顧客を送り、我々はこの店舗に子会社であるSBIマネープラザの外務員を派遣するというわけだ。証券機能を持っていなかった地銀はこれまで大手証券の支店に顧客を取られていたが、この仕組みを使えば新規投資コストをかけることなく顧客を取り戻すことが可能になるというメリットがあるため、取り組みは順調に進んでいる。すでに清水銀行と共同店舗を設立したほか、今年度中にさらに10行程度の地銀と提携する予定だ。

――現在の社員数は…。

髙村 社員数はコールセンターなども含めて合計700人強といったところだ。ここ最近は、総合証券化に向けて法人部門の人材採用を強化しており、特に我々のビジネスに共感して頂くようなシニア・エグゼクティブが増加してきた。皆さんやる気があり、かつ昔からのネットワークや知見があるという点において大変助かっている。また、新卒でいったん大手金融機関に入社した若い人から我々に興味を持ってもらうことも増えた印象がある。新しいビジネスの立ち上げに直接関与出来る点が、若い人にとっては魅力に映っているのではないだろうか。

――FXや仮想通貨取引と、証券取引との相乗効果については…。

髙村 FXについては、グループ内の「SBIリクイディティ・マーケット」が流動性を供給しながらきちんとプライスを提示している。我々のグループにおけるFXの顧客層は100万人を超えるような水準となっており、トレードのボリュームも日本一の規模になっているはずだ。FXを手掛ける個人投資家は株式にも関心を持っていることが多く、顧客の親和性が高いためにグループ内の送客はうまくいっている。また、今後にグループ内で仮想通貨事業が立ち上がれば、顧客にとっては新たな取引の選択肢が生まれることになるため、ビジネスチャンスは大きい。仮想通貨の取引業者も徐々にしっかりとした基盤を持つ大手業者に絞られていくと見ており、金融商品取引業者としての常識を持ち合わせた我々が参加することで、仮想通貨ビジネスのステージはさらに変化していくだろう。

――経営上の今後の課題は…。

髙村 ネット経由のリテールの基盤はかなり拡充してきた。特にこの5年間では、NISAやiDeCoなど税制面の後押しを受け、真面目に資産形成に取り組む初心者層が大きく増えている。リテールについてはこうした流れに自然に乗ってビジネスを伸長させていきたい。また、香港を拠点としてアジアを中心とする海外機関投資家への営業を開始したが、欧州や米州などの投資家に対してもどのようにアクセスしていくかを考えていかねばならない。発行体にとってはホールセールで海外機関投資家を抜きにして考えることはできないので、我々が総合証券会社となるためにはかなりの時間を要してでも海外機関投資家を広くカバーしなければならない。課題はまだまだ山積している。

PTS(私設取引システム)信用取引をいよいよ提供開始

■背景
マネックス証券では、2019年6月から、国内株式現物取引において、東京証券取引所、ジャパンネクスト証券株式会社が運営する「ジャパンネクストPTS」、ダークプール(※1)の3市場を自動比較し、もっとも有利な条件での約定が見込まれる執行先を判定して発注するSOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文サービスを提供しています。
このサービスの提供により、SOR注文サービスを利用し東証以外で約定した取引の93.7%(※2)のお取引において、価格改善効果を実現いたしました。

画像

■概要・特徴
(1)執行市場
信用取引のSOR注文では東京証券取引所とPTSから執行する市場を選択します。ダークプールでは注文を
執行しません。
なお、PTSでの信用取引はSOR注文を介してのみ取次ぎますので、PTSのみを指定する注文はできません。

(2)制度信用・一般信用いずれも利用可能
PTS信用取引は制度信用取引と一般信用取引の両方でご利用いただけます。
マネックス証券のPTS制度信用取引においては、ジャパンネクストPTSが定める銘柄を対象銘柄としています。

(3)東証とジャパンネクストPTSで他市場返済が可能
SOR注文を利用した場合は、建玉を他市場で返済できます。
東証で建てた建玉をジャパンネクストPTSで返済、ジャパンネクストPTSで建てた建玉を東証で返済することが ダークプール取引とは
可能です。

今後もマネックス証券は、2018年11月にマネックスグループが発表したブランドステートメント「For Creativ
e Minds」に掲げる、従来の枠組みを超えた新しい発想や視点に基づき、創造性を携えて、新しい「お金の未来」を常に提案してまいります。

※1 証券会社がお客様の注文を機関投資家等の注文とシステムで付け合わせ、対当する有利な注文があれば
東京証券取引所の取引所立会外市場(ToSTNeT市場)で約定させるシステムです。システム上の注文情報
が外部に公表されていないため、一般にダークプールと呼ばれます。なお、信用取引においては、
ダークプールでの約定を行いません。
ダークプールへは信用取引口座(スタート信用口座を含む)または先物・オプション取引口座
(オプション買建専用口座を含む)を開設されているお客様の株式現物注文のみ取次ぎいたします。

※2 2020年1月6日~2020年3月31日の期間でSOR注文サービスを利用し、評価対象となった取引のうち、
価格改善効果を得た取引件数の比率。ダークプールでの約定を含む。価格改善の判定は当社の定義に
基づいて第3者機関が集計。 ダークプール取引とは
以 上

【手数料等およびリスクについて】
マネックス証券の取扱商品等のお取引をいただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく
場合があります。
また、各商品等には価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外
国為替証拠金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じ
ることがあります。各商品等のお取引にかかる手数料等およびリスクは商品毎に異なります。詳細につきまして
は、マネックス証券ウェブサイトに掲載の「契約締結前交付書面」「上場有価証券等書面」「目論見書」「目論
見書補完書面」「リスク・手数料などの重要事項」等を必ずお読みください。

【マネックス証券株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会

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